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 トップページ >> 書籍紹介 >>イバン・イリイチ 文明を超える「希望」の思想



2009年12月2日発売 
538頁 
定価:本体3,500円 
   +税(3,675円)
 




産業文明を超えるイリイチ思想の全貌を後期イリイチから論述。
1979年『学校・医療・交通の神話』(新評論)を記した処女作から30年、満を持しての書き下ろし。いまこそイリイチは、生きる。教育・医療・速度のサービス制度批判をこえ、シャドウ・ワーク、ジェンダー、道具、さらに環境、文字、テキスト、光、そしてホスピタリティとコンスピラチオの思想地平が描かれる。これを読まずして、現在の本質は考えられえない。
 書籍内容
はじめに:イリイチとメキシコ 9

I. 初発のラテンアメリカ:バナキュラーな場所
1章 イリイチ登場:ラテンアメリカの世界 25
2章 産業的なものとバナキュラーなもの:思想の基盤 63

II. 現在日常生活批判
3章 「学校化社会」批判から教育批判へ 95
4章 速度社会の囚人:モーター乗り物と交通と移動 145
5章 医療発生病の社会:医療・健康・生命への批判 169

III. 思想の飛躍的転換
6章 コンビビアルなものと道具 201
7章 シャドウ・ワークとジェンダー 237
8章 イリイチの歴史論:「ニーズの歴史」と「稀少性の歴史」 281

IV. 後期の思想地平
9章 イリイチの環境論:水と土と住まうこと 323
10 章 「文字的精神」空間とテキスト:語る/書く/コンピュータ 351
11 章 イリイチの身体論:光とまなざし 405

V 歴史・神話・希望の思想
12 章 神話・文明・歴史をめぐる思想地平:イリイチと吉本隆明とフーコー 449
終章 キリストとともにあるイリイチ:最後のことば 489
 著者のことば
 「後期イリイチについていままで放置してきたのですが、ホスピタリティを考えているなかで、道具の再編が気になりもう一度イリイチを読みなおしていましたなら、いままさにイリイチが1970年代に言っていた現実になっている。そこで、後期思想を正確に押さえなおしながら、前期・中期の思想を見直し再考しました。ちょーど、処女作のイリイチ論から30年、ぼくの総括です。ブルデュー論、吉本論、フーコー論と思想家論をしあげてきましたが、これで僕の理論基盤全体の論述が完成しました。後期イリイチは難解ですが、僕なりに位置付けました。教育論は、文字論、テクスト論となり、医療論は身体/まなざし論となり、交通・速度論は水・土をめぐる環境論となって、イリイチもホスピタリティ論へと至っています。サービス批判はホスピタリティ論として飛躍する必然ですね。ほとんど神学的な「受肉」の論述にイリイチはなっていますが、それは現在論として理論化へ転移しえます。初期の思考をイリイチ自身が始末してしまっているのですが、それはまちがいです。いまこそ充分にその思考は生き得ています。ぼくはイリイチ主義者ではない、フーコーの告白の自己技術論と比較すると西欧の限界がはっきりとみえてきます。批判理論の限界をこえるべく、格闘しました。」
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