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2016年11月25日発売 
608頁 
定価:本体4,900円+税 

(限定400部 在庫僅少)



 国家に実体はない。国家は叡智性の図式でしかない。
国家嫌悪のネガティブな思考は、国家の何ごとも把握していない。フーコーの「生権力」「生政治」をふまえ、マルクス主義的国家論の基盤を覆し、幻想関係、権力関係と統治制の配備から「国家の統治制化」を明解に論述。フーコー講義『安全・人口・領土』『生政治の誕生』を徹底解読し、世界の誰もまだ論じえていないフーコー国家論を明示した画期的な書。
 書籍内容
はじめに

I 権力関係論から統治性論へ
 序章 フーコー権力論の地平と言説的プラチック
    生権力・統治技術・統治性と国家への問題構成及び基本範疇

II 『安全・領土・人口』を要約的に読む
 1章 安全性のテクノロジーと統治:フーコー国家論の構築へ(1)
 I 安全性メカニズムの抽出と設定:最初の問題設定
  【1】安全性の配備 dispositif
   ◎人口の登場
  【2】統治性
 * conduite de conduit *

 2章 パストラールの制度化:フーコー国家論の構築へ(2)
 II パストラール権力の変遷
  [1]羊飼いbergerと羊の群れとの関係:牧人pasteurの出現
   A パストラール権力の特徴:元型
   B パストラールへの批判
  [2]キリスト教的パストラール制への制度化
   A キリスト教的パストラール制の三特徴:救済 / 法 / 真理
   B 「反振る舞い」と統治性:振る舞いに対する抵抗・反乱
  [3]魂のパストラールから「人口」の政治的統治へ
 * 統治性とパストラール制の関係:服従の論理と統治の論理 *
 3章 国家理性とポリス国家:フーコー国家論の構築へ(3)
III 国家理性とポリス国家
  [III・1]国家理性の発明
   (1)国家理性の出現における「国家」の出現
   (2)統治理性:政治と統治
  [III・2]ポリス国家の構成
   (1)ポリスの登場
   (2)政治経済の誕生と人口:ポリスへの批判と離脱
    ●「経済」の出現:ポリスへの批判
 * 国家の統治制化 *
III 『生政治の誕生と国家』を要約的に読む
 4章 生政治の誕生と国家(上):自由主義の出現
  [1]政治経済の出現へ:最初の問題構成
  [2]統治する自由アート:十八世紀の自由主義
 * 統治の「装置」と統治の「配備」 *

 5章 生政治の誕生と国家(中):新自由主義の出現
  [3]新自由主義と国家
   A ドイツから
   (1)国家の存在を可能にする経済的自由
   (2)新自由主義「政治」の規定:企業形式をもつ社会
   (3)市場経済と社会政治
   B アメリカの新自由主義
   (1)人的資本論と労働
   (2)新自由主義の仕方
   (3)犯罪性・非行性

 6章 生政治の誕生と国家(下):ホモ・エコノミクスと市民社会
   [4]ホモ・エコノミクスと国家
   [5]市民社会の新たな布置:国家と社会の関係へ
 ◎「真理による統治」へ 『生者たちの統治』
 * まとめ *

IV 新たな国家論へ
 7章 国家論の新たな構成
   「社会」の防衛と共同幻想 / 場所資本の統治制
    医療と戦争:国家と権力関係との関係
    フーコーによる国家の問題構成の再確認
    統治と統治性・統治制の現在性へ

国家の現在的配備の構成
 I 客観化された構造としての国家の問題構成
 (a)国家に「おける / 対する」幻想と心性と認識の合致の地盤
 (b)国家諸装置と社会空間の関係構成:統治技術の布置
  ●社会政治を超えるプライベートなもの:フーコーの限界
 (c)国家装置と社会サービス制度の対象である家族
 (d)諸々の権力テクノロジーの国家編制
  ●国家を超える政治権力
 (e)軍事・外交の国家間編制と多民族

 II 国家アクトの諸装置と諸機能:制度と配備と装置
   ●国家を超える統治性

 III 国家と自由市場経済との関係構造
   ●市場経済を超える資本経済

 IV 諸個人の国家意志と国家構造:個人化の政治と経済

 V 国家の死滅、国家の廃絶、国家の無化という問題
   a国家語とバナキュラーな場所言語、そして場所共同幻想
   b対幻想 / 対関係の共同性への疎外表出
結語:共同幻想国家と統治制
* dispositifとその方法 *

8章 政治と倫理:国家・社会に対する自己テクノロジーと場所政治へ
 政治の倫理:1984年、生前最後のいくつかの語りから
 場所と資本の経済政治
 資本の統治、場所の統治:新たな統治するアート
  ●ホスピタリティ資本経済の出現へ
  ●ホスピタリティ場所環境政治の出現へ

【補記】フーコーの基本語録・言表・概念:理論用語の概念空間
あとがき
 著者プロフィール
山本 哲士(やまもと てつじ)
1948 年生まれ。東京都立大学大学院人文科学研究科、博士課程修了。教育学博士。政治社会学、ホスピタリティ環境設計学。
信州大学教授、東京芸術大学客員教授をへて、現在、文化科学高等研究院ジェネラル・ディレクター、助六大学学長。
企業環境、ファッション環境、ツーリズム環境、環境倫理・環境哲学など、社会環境、文化環境から〈場所・地球〉の経済/政治を近代学問体系を超えて総合的に設計・構築する超領域的研究。
1975 年、イバン・イリイチが主宰したメキシコのCIDOC へ遊学。1986 年より『季刊iichiko 』編集・研究ディレクター。1988 年「文化科学高等研究院EHESC 」を設立、2001 年「スイス・ジュネーブ国際学術財団F ・EHESC 」として登記、ジェネラル・ディレクターをつとめ、現在にいたる。2005 年「国際ホスピタリティ研究センター」を設立。著書・編著は50 書以上、編集雑誌は100 冊以上に及ぶ。
『文化資本論』(新曜社)、『新版・ホスピタリティ原論』『哲学の政治 政治の哲学』(文化科学高等研究院出版局)。
『ピエール・ブルデューの世界』『吉本隆明の思想』(三交社)『ミシェル・フーコーの思考体系』『イバン・イリイチ』(EHESC 出版局)で思想家4 部作を完成。『ホスピタリティ講義』。『哲学する日本』『物象化論と資本パワー』(EHESC 出版局)。
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