企業不正を告発する、何の計算もなく愛を表明する、不公平なことに正義を主張する、テレビの画面に流れる世界の悲惨に苦 しむ、などなど。批判や共感を働かす。 私たちは道徳判断を批判判断をもって日々なしている。
そこに働く正当化のよりどころになっている規範型を、ボルタンスキーは政治思想と実際の歴史的な現れから六つのモデルで示し、さらに資本主義の動態的な精神として七つ明示した。 言い争い・衝突・論争において正当化を働かせて社会行為をいとなむ私たちは、力関係や利害関係だけで生きているのではない。支配だ搾取だと、暴力のメタ批判の粗野な社会科学思考に対して、出来事の事実のなかで、繊細に物事を同等性と序列の作用で、自分を正当化している通常人の能力を浮きだたせる、世界第一線の考察を、自分のものに・・・・・。
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