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 トップページ >> 書籍紹介 >>オクタビオ・パス生誕100年パートII



2014年7月発売 
128頁 
定価:1,500円(税別) 





 アルベール・カミュの生誕百年が去年、今年がオクタビオ・パスの生誕100年。つまり、1910年代に生まれた知識人=作家の界閾が、そこに典型にみられる。それ以前が、コジェーヴ、サルトル、メルロ=ポンティやレヴィ=ストロース、ガダマーであり、日本では小林秀雄になる。20年代になると、フーコー、イリイチ、ハーバマス、ルーマン、ゲバラ、日本では吉本隆明。30年生まれが、デリダ、ブルデューとなっていく。世代ごとの転回がおきているようにみえるのも、思想・理論が、哲学・文学をふくめて、大きく変容していくからだ。
 40年代生まれの戦後世代は、それらの十年ごとの転回の差異的なダイナミズムを感知していた。わたし自身は、20年代生まれの識者たちの思想・理論を世界線で学ぶ仕方を機軸にすえた。非西欧世界の存在に拠点をおいて、世界を観るという立場をとった。そこに、パスという、文化的なかつ詩的な存在が透視している世界に、さわやかなもの、西欧的世界に閉じていない、疎外された実存の閉鎖性ではないある開かれたものをそこに感じとった。パスには、社会史に還元されえない文化史への眼がある、それがパスへの共感をうみだしている。
 世代論は、ある種ナンセンスではあるのだが、20世紀前半の激動がいまだに解決されず、世界の画一化・均質化が進行し構造崩壊している。現代思想といわれた閾は、20年代生まれの死とともに終焉しているが、10年代生まれの100年の節目とともに、それについで見直しされていくのだろう。新たな〈知〉は、もう世界線で生まれてはいない。自分がつくるのみだ。
 書籍内容
▼今福龍太「オクタビオ・パス、あるいは「沈黙の修業」」

▼清水憲男「パス詩学の諸相」

▼森川雅美「オクタビオ・パスの『太陽の石』を読む」

▼ホセ・エミリオ・パチェーコ「『太陽の石』の説明」

▼アルベルト・ルイ=サンチェス「アザレアの咲く庭の語らい:オクタビオ・パスと美術、個人的な証言」

▼エンリケ・クラウセ「雑誌編集者、オクタビオ・パス」

▼阿波弓夫「『孤独の迷宮』を読む(5):ブニュエル、吉田、セアを手がかりとして」

▼山本哲士「パスの「愛」論:『二重の炎』にみる相反共存の述語状態」

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▼【iichiko note】
67歳の場所 河北秀也
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