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2013年1月発売 
128頁 
定価:1,500円(税別) 




 非分離のキモノ、述語制のキモノ、場所のキモノ、そして非自己のキモノ。
 キモノは日本の哲学原理・技術原理をすべて行使し、しかも、それを文化表象している。そこに日本の文化の本質がすべてあるといってよいだろう。それを少しずつときほぐして読みといていきつつ、場所のキモノをリサーチしていきたい。隠れた日本ホスピタリティ技術がすべて体現されて、キモノにあるといってよいかと思う。
 キモノを着て東京駅に降り立ったとき、男性の誰ひとりキモノを着ていない。これは、キモノを着た側からみて初めて感じたことであるが、異様な光景である。日本人は、日本のもっとも日常的で文化であるものそのものを、すべて忘れさった毎日を過ごしているということだ。
 日本とは何であるのか、それはキモノを通じてこそ初めてみえていくことだと確信している。まだまだことばに現しがたい、キモノの意味がある、それを言説化していくことは大事である。近代化、産業化が、あちこちでほころびが現出してきている「いま」、日本の原点に立つ事は、日本の成熟化において重要なことであると思う。日本は様々な快適さや便利さをつくってきたが、同時に、非常に大事なものをうしなってきた。ようやく、場所化、資本化、述語化、非分離技術化、環境化、というベクトルの中で、キモノを着て、下駄・草履をはいて、日々「動く」ということから、身体において行為していくことだと実感している。
 ホスピタリティは、まずはキモノによる自己技術から、ということだ。
 文化とは、言語である、その言語は、見えないが感じられる「もの」を、ある触知しうる「物体」へと産みだしていく技術を規制表出させている。そこから、「ものぶり」ということがホスピタリティのことではないかと、造語的に思い始めつつある。キモノは「ものぶり」の自己技術を規制してくる、その「快・楽」と不自由さがまねく自由度が、とてもだいじなことである。日本の場所ごとの、偉大なキモノ文化がある、それから真摯に学んでいきたい。
 書籍内容
▼「キモノの現象学」 山本哲士
 
▼ 十代目 山口源兵衛インタビュー
 「着物の身体性と帯の精神」 

▼「笹島寿美の着付けの文化技術」 

▼ 西山博之インタビュー
 「白山の場所と牛首紬」

▼ 奥澤武治・井上和也 インタビュー
 「結城紬の場所」

▼「場所の色 黄八丈」 山下 誉

▼【連載・中村三春のテクスト文芸学】
 「〈原作〉には刺がある ―木下恵介監督『楢山節考』を中心として―」

▼【カラー特集】
 〈織物の文化技術〉
 帯 誉田屋源兵衛
 牛首紬
 結城紬
 黄八丈

▼【iichiko note】
  平成の場所 河北秀也
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